Department of Japanese History
歴史の舞台、
平安京の上で学ぶ
古代から近現代にいたる各時代、さらに政治・経済・社会・文化など幅広い分野から個々の興味にあわせて学べます。日本史の主要舞台である京都で、歴史を肌で感じながら学べるのも魅力です。
古文書の解読能力を磨き、史料を読み解いて分析していくことにより、歴史に関する新たな視点を発見する。日本史研究の高度な知識と技術が身につきます。
歴史と文化の中心地である京都を実際に歩き、書籍などで培った知識を、実際の場所へ行って検証する。その経験とともに学べるのが日本史学科の大きな魅力です。古代から近現代までの各時代について、政治・外交・経済・社会・文化などのさまざまな分野を幅広く学ぶことができます。
日本史学科で学ぶことによって、過去の研究成果を踏まえて、古文書などの史料を読み解いて分析し、新たな視点に基づいて歴史を解き明かすという、歴史学研究の知識と技術を身につけることができます。
高校までの日本史は「暗記物」のイメージが強いかもしれませんが、大学における歴史の研究は、そうではありません。
日本史学科で学ぶ、古代史・中世史・近世史・近現代史を研究する歴史学とは、古文書などのように文字で書かれた記録(これを「史料(文献史料)」といいます)を読むことから出発して、自分の手で歴史を明らかにしていく学問なのです。史料は一見しただけでは無味乾燥に見えるかもしれません。しかし、じっくりと分析を進めていくと、生き生きと過去の歴史を語り始めるのです。
日本史学科では、自分の手で史料から歴史を明らかにする力を身につけることができます。
古代史は、飛鳥時代から平安時代までが、その範囲です。古代国家が形成されていく時期から、律令制度に基づいて国が運営される時期、それが変質し中世的なありかたが芽生えていく時期までを広くその範囲に含みます。
それ以降の時代と比べると、文献史料の量が少なく、まだ解明できていない問題も多く残されていますが、新たな史資料の発見や新たな史料解釈によって、大きく歴史像が変わる可能性もある魅力的な時代ともいえます。
古代史の研究では、史料の少なさをカバーするため、史料を一字一句丁寧に読み込み、発掘成果などの他分野の成果も取り入れ、さまざまな史資料を組み合わせて検討していきます。平安時代になると史料の種類も増え、問題へのアプローチの仕方はさらに広がります。研究手法の工夫も古代史研究の面白さのひとつです。
こうした古代史について、その実像に迫ります。
中世史は、鎌倉時代から戦国時代までが、その範囲です。
中世といえば武士の時代と捉えられ、鎌倉・室町幕府や戦国大名といった武士・武家政権の研究が主流のようにみられますが、それだけではありません。鎌倉時代にも古代以来、京都で政権を担っていた天皇・貴族ら公家や、人々の信仰の拠り所であり、大荘園領主でもあった寺社、中世になって著しく台頭した民衆の姿を追究することもできます。また、そうした勢力・人物だけではなく、室町文化のように現代につづく日本の伝統文化の源流を探ったり、中世日本と中国・朝鮮などの東アジア、ヨーロッパ諸国との活発な交流から、日本という国をグローバルな視点から客観的に捉えるといったことも可能です。
こうした中世史について、日記・古文書、ときには絵画等の史料を駆使しながら、その実像に迫ります。
近世史は、安土桃山時代から江戸時代までが、その範囲です。
江戸時代についても、多様な研究テーマがあります。たとえば、幕府や大名に関する研究をはじめ、京都の朝廷と幕府との関係史、オランダ・朝鮮などとの対外交渉史、また、京都・大坂・江戸の三都などの都市史、農村などの村落史、さらには文化史や女性史などについて、研究が積み重ねられてきました。
江戸時代を様々な角度から見てみると、現代につながる事物・事象が実は少なくありません。こうした近世史について、その実像に迫ります。
近現代史は、幕末維新期から戦後史までが、その範囲です。
近現代史の研究テーマとしては、まず、幕末維新期と明治時代については、ペリー来航から王政復古の大号令、戊辰戦争に至る幕末史を始め、廃藩置県、岩倉使節団、徴兵制、地租改正、殖産興業、文明開化などの明治政府の諸改革や、自由民権運動、大日本帝国憲法、条約改正、日清戦争、日露戦争、韓国併合、産業革命、明治文化などがあります。
また、大正時代については、大正政変、第一次世界大戦、大正デモクラシー、政党政治、市民文化などの研究テーマがあります。さらに、昭和時代の研究テーマである軍部の台頭、満州事変、日中戦争、南京事件、日米開戦、アジア・太平洋戦争、沖縄戦、原爆投下、東京裁判などについては、その分析と評価をめぐって研究者の間で論争がくり広げられてきました。
こうした近現代史について、その実像に迫ります。
日本史学科教員個人研究室
栽松館5階にあります。教員に質問や相談がある時は訪ねてください。
日本史学科共同研究室
日本史学科共同研究室は原則として授業期間中の平日に開室し、事務助手が在室しています。ここではさまざまな研究資料や学術雑誌類が閲覧できますし、学生諸君の学問的な相談事にも応じています。
1. 古代史概説・中世史概説・近世史概説・近現代史概説
古代史・中世史・近世史・近現代史について、それらの全体像(通史)を理解するための科目です。最新の研究成果をふまえて、それぞれの時代を概観する講義が行われます。
2. 基礎演習(1年生次必修)
史料を解読して分析する基礎的な力をつけるための科目です。基本的な史料を講読しつつ、史料解読のための基礎的な知識や辞書類など研究に欠かせない「道具」の利用方法などについて学びます。
3. 研究入門演習(2年生次必修)
歴史学を研究する基礎的な力をつけるための科目です。古代史・中世史・近世史・近現代史について、研究文献を丁寧に読んで検討することによって、史料をどのように分析するのか、そこから歴史的事実をどのように明らかにするのかなど、歴史研究の方法論について具体的に学びます。
4. 日本史学演習A(3年生次必修)・日本史学演習B(4年生次必修)
3・4年生次に開講される卒業論文作成のためのゼミナール(ゼミ)です。学生は、各自の研究テーマについて、過去の研究成果(先行研究)や史料について調べて研究発表を行い、それに対して、教員の指導と他のゼミ生による討論が行われます。このようにして、2年間かけて卒業論文を作成していきます。
1. 古代史研究・中世史研究・近世史研究・近現代史研究
古代史・中世史・近世史・近現代史について、それらの専門的な研究成果を理解するための科目です。それぞれの時代について、最新の研究成果をふまえて、特定の研究テーマを取り上げて講義が行われます。
2. 古文書学
古文書の様式を理解し、紙に筆で書かれた「くずし字」を解読する力をつけるための科目です。古代・中世・近世の古文書を中心に、それぞれの時代の古文書の様式と解読について、講義が行われます。
3. 日本史学講読
古代史・中世史・近世史・近現代史の史料を精読して、歴史を研究する上で不可欠な史料の読解力をつけるための科目です。漢文の読み下しや「くずし字」の解読などを行って史料の意味を解釈し、その史料の歴史的な意味を考え、史料が作成された時代についての理解を深めていきます。
4. 日本政治史・日本経済史・日本社会文化史・対外交渉史
政治史・経済史・社会史・文化史・外交史について、それぞれの分野の歴史を理解するための科目です。最新の研究成果をふまえて、それぞれの分野についての講義が行われます。
5. 明治維新史研究
明治維新を歴史学的に理解するための科目です。最新の研究成果をふまえて、史料の分析を含めて、明治維新史についての講義が行われます。
6. 戦国史研究
戦国時代を歴史学的に理解するための科目です。最新の研究成果をふまえて、史料の分析を含めて、戦国史についての講義が行われます。
古文書学実習
古文書に書かれた「くずし字」を解読する力をつけるための科目です。近世の古文書を取り上げて、古文書解読のための基礎知識や古文書が作成された当時の時代状況について解説を加えつつ、くずし字の読み方を中心に、古文書解読の実習をします。
准教授 生駒 孝臣
田中 心
日本史学科 3年生(取材時)
滋賀県 近江兄弟社高等学校出身
京都府立丹波支援学校 中学部 講師 前村 菜摘
日本史学科 2018年卒業
岡山県 岡山県美作高等学校出身
※OCAP(Open Campus Project)は、入試課の職員とともにオープンキャンパスの企画や運営を行う学生団体。
オープンキャンパス来場者に大学の魅力を伝えるために、さまざまな企画を考案しています。