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2022.03.17お知らせ

2021年度 学位記授与式 式辞


式  辞 

 本日ここに学位記を受け取られた皆さん、おめでとうございます。花園大学教職員を代表して、心よりお祝いを申し上げます。皆さんをこれまで励まし支えてくださったご家族の方々にも、お祝いと感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
 この春、大学院を卒業する方は7名で、その内訳は修士課程文学研究科2名、社会福祉学研究科5名です。学部生は317名が卒業を迎え、その内訳は文学部 140名、社会福祉学部177名です。本日、学位記を手にされ、ここに至るまでの苦労や仲間と共に経験した感動など、様々な思いを巡らせていることと思います。
 とりわけ皆さんは、2020年初頭に始まった新型コロナウイルス感染症がまん延する中で、最後の大学生活を送られました。授業の形態が大きく変わりました。対面授業がオンラインになったり、実習が中断されたり、卒論が思うように進まなかったり、何よりも友に会うことすら不自由になりました。そうした厳しい状況の中でも勉学や研究に励み、この卒業の日を迎えられたことは、皆さんの向上心の賜物でありその努力に敬意を表します。

 コロナは続いています。そして、たとえコロナが終焉したとしても、人類はコロナの前に戻ることはないでしょう。今、皆さんが経験していること、インターネットに過度に依存した知的、人間的活動はこれからも続くでしょう。インターネット空間は、間接の空間、虚構の世界、巨大なグローバル経済が操作する意図に満ち満ちた世界です。このインターネット空間においても、自立性・自律性を保ち、自らの人生を切り拓いていってください。
 本学の建学の精神は「禅的仏教精神による人格の陶冶」です。その目的は臨済宗の宗祖である臨済禅師が「随処に主と作れば、立処皆な真なり」と言われるように、どの様な状況であっても主体的に行動できる、自立性・自律性を養成することです。この建学の精神の下で学ばれた皆さんは自ら立つ自律の精神を獲得されています。自信をもって社会に歩み出してください。

 このコロナ禍の中で確認できたことは、対面のコミュニケーションの重要性です。ヒトのからだと脳は、基本的には共同生活を基本として設計されています。人とのかかわりを大切にして生きていってください。人は一人では生きていけません。人とのかかわりの中で愛や友情が生まれ、それが生きる糧となっていくのです。
 人とのかかわりの中で生きていくことは、「分かち合い」を基本に生きていくことに結びつきます。「分かち合い」の原理は、財政学者の神野直彦先生が述べておられるとおり、「存在の必要性の相互確認」です。「どのような人間も社会にとって掛け替えのない存在であり、どのような人間でも相互にその存在を必要としているということを確認すること」です。「悲しみや苦しみを『分かち合う』こと」です。「悲しみや苦しみに暮れる人と、悲しみや苦しみを『分かち合う』ことをすれば、悲しみや苦しみに暮れる人にとって、自分が必要不可欠な存在であることを実感できる」のです。
 地球環境や文化環境を、人的資源や経済的資源を「分かち合い」ながら、生きていくことです。社会のすべての構成員が、すべての社会の構成員を必要不可欠な存在だということを相互に確認し、社会の構成員が協力して実施する共同作業、それが「分かち合い」です。
 現代社会では市場社会が中心に位置しています。その基本原理は競争です。しかし、競争を絶対視する人に言いたい。
 政治学者の佐々木毅先生がおっしゃる通り、「『われわれ』が一方的に『かれら』を強引に乗り越えることのみを考え、逆に、『かれら』によって『われわれ』が暴力的に乗り越えられることを初めから念頭に置かないというのは、人間の自由に対する認識において重大な欠陥があることを自白するのに等しい」(佐々木毅、2009)。
 「分かち合う共同体」をめざしましょう。

 残念ながら、現在、ウクライナではロシア軍の侵攻で子供を含む多くの民間人が犠牲となっています。母国を後にした難民は280万人を超えています。第二次世界大戦の惨事から人類は何も学習しなかったのだろうかと思わざるを得ません。歴史の進歩の先には民主主義と自由主義が必ず実現するというような理想論は捨てるべきなのでしょうか。
 しかしながら、私は人を信じます。若者の力を信じています。マックス・ウェーバーの『職業としての政治』の末尾の次の言葉を皆さんに送りたい。
 「自分が世間に対して捧げようとするものに比べて、現実の世の中が―自分の立場からみて―どんなに愚かであり卑俗であっても、断じて挫けない人間。どんな事態に直面しても「それにもかかわらず(デンノッホ)!」と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への「天職(ベルーフ)」を持つ。」
 皆さん、苦難を恐れず、際限のない社会の「大海」へ漕ぎ出していってください。
 卒業そして修了、誠におめでとうございます。

令和42022)年317
花園大学学長 磯田 文雄

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