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卒業生インタビュー

史学科卒業 井上 圭伍さん
インタビュー内容は、公開時(2013年3月)のものとなります。

現在のお仕事について教えてください。

現在は、高校で社会科教員をしています。基本的に教えているのは日本史ですね。通常の日本史A・Bのほかに、河内古代史という、学校のある河内地域の言い伝えや歴史を専門的に学ぶ授業を担当しています。これは「総合学科」の授業で、通常の授業とは違い、大学の授業のように学生が自分の興味に合わせて選んで受けることができるものです。


地域に合わせた内容の授業なのですね。具体的にはどのようなことをされているのですか。

インタビューVol.11イメージ1

勤め先の高校の近くに古墳があるので、そこへ実際に足を運んで校外学習をしたり、専門に研究をしている学芸員さんにお話を伺ったりしています。また、校外で学んだことをより深く調べて、皆の前で発表してもらうこともあります。
本当に、地域の皆さんの協力や支えがなければできない授業だと思います。感謝ばかりですね。
また、子どもたちには地元の遺跡やお寺、神社などを通して、歴史を身近に感じてもらえればと思っています。身近な場所の歴史を知ることで、歴史という学問自体も好きになってもらえたら嬉しいですね。


井上さんは教職について感じたこと、心がけていらっしゃることはありますか。

歴史を教えていて感じるのですが、「歴史は嫌い」という子どもは多いんです。それは、歴史の授業=暗記が多いというイメージによるのだと思うのですが、実はそれだけではないんですよね。僕は大学で教員免許の授業などを通して、歴史とは「考える」学問であるということを知りました。決して暗記だけではなく、その時、なぜ、どうしてこうなったのかを考えるのが歴史です。これを授業で子どもたちにも伝えたいと思っています。そのために、自分なりに色々工夫をしています。
例えば、歴史といえば人名が沢山出てきますが、人名ってそのままだと分かりにくいでしょう。
そこで必ず、人物を紹介するときはその人の写真や肖像画を見せて教えるようにしています。文字の情報よりも画像で見たほうが人間は覚えやすいんです。その人の顔を見ながら話すと、「こんな顔してるんだ」、「ひげが生えてるんだ」といったように、その人物の特徴を掴む事ができますからね。また、歴史上の人物を「こいつは実は大酒のみやったんやで」とか、まるでその場にいたかのように、友人の一人であるかのように生き生きと話します。するとその人物への親近感が沸くし、覚えやすくなります。
他にもクイズ形式にしたり、流行のTV番組の雰囲気を取り入れてみたりもしています。気軽な雰囲気にすることで、一見難しい事も生徒の印象に残りやすくなり、苦手意識も生まれにくいように思います。ただこちらが一方的に喋っているだけでは、今の子どもたちはなかなか聞いてくれない。毎回話し方や教材を工夫して、少しでも興味を持ってもらいやすいようにしています。
授業というのは、生徒と教師の大切なコミュニケーションの場でもあるんです。だからこそ無碍にせず、親身に向き合いたいと思っています。


井上さんの教師を目指すきっかけはなんでしたか。

インタビューVol.11イメージ2

中学のときに教わった英語の先生に憧れたんです。あと、ドラマ「GTO」の影響もありましたね。僕が好きだったのは中尾彬さんが演じた教頭先生でした。最終話で学校と生徒を守るために、自ら前に立って体を張る姿を見て、格好いいなと思いました。実際人前で喋るのも好きな方でしたし、向いていると思いました。
それに、僕にとって「学校」という場所そのものが大好きで、特別な場所です。生徒会で遅くなったりもしましたし、困ったことや問題が起きれば先生方が親身になって助けてくれた。お世話になった先生方や大人たちに恩返しがしたいというのも、教師になりたいと思った理由です。
でも日本史しかできなかったんですよね、僕(笑)。最初は英語の先生を目指したのですが、周りについていけなかった。そこで特に好きだったのが日本史だったので、日本史を集中して勉強していました。それで社会科の教師になったんです。


高校の先生を選ばれたのはなぜでしょうか。

中学の免許も持っているんですが、高校の方がより専門的なことを教えることができますし、高校生とはある程度「大人」として、互いに話ができるのがいいなと思ったんです。また、高校の卒業は、就職や進学など、人生における大きな分岐点でもあります。子どもたちがそれぞれの道を選び、進んでいく場に立ち会える、ということも大きいですね。


井上さんが花園大学で過ごされて、印象深かった思い出はありますか。

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僕は花園大学に入ってから勉強に目覚めたと思っています。
ある先生に、「大学は自分で勉強するところだ」と一喝されたのが大きなきっかけでした。全くその通りだと思います。花園大学でその先生に会えたのは本当によかったと思います。
ゼミに入ってからも、ひたすら文献を読んでいましたね。花園大学の図書資料はとても充実しています。毎日のように図書館には足しげく通って、所蔵資料を片っ端から探して、ずっと読みふけっていました。


先生との関係が現在も続いていらっしゃるのですね。特に影響を受けた方はどなたでしたか。

インタビューVol.11イメージ4

お世話になった先生は沢山いらっしゃいますが、特に挙げるとしたら芳井敬郎先生ですね。
全然板書をしない分、とにかくたくさんのことを話してくれる先生でした。民俗学概論の授業を担当されていたのですが、芳井先生の授業は民俗学以外の分野の話も豊富で面白くて、脱線も多かったけれど、この先生の話が聞けるというだけで楽しくて仕方なかった。授業を2回できるくらいの内容を1回の授業でやりました。僕は先生が話した事を全てノートにとっていて、今ノートを見直すと、まるで昨日のことのように思い出せます。
芳井先生の授業が今の僕の目標です。


教師になるには、大学ではどのようなことを大切にすればよいのでしょうか。

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教師を目指すとなると、普通の生徒よりもずっとたくさんの単位を取る必要があります。通常とは別に教員免許を取得するための講義もありますし、とにかく勉強しなくてはいけません。
特に社会科の場合は歴史のほかに地理、公民と違う分野の免許があります。実際に学校で働き始めると、例え専門が歴史だったとしても、自分の専門外の分野を教える場合も出てきます。ですので、特定の分野だけでなく満遍なく勉強する必要がありますね。
そして何より大切なことは「学校に来て学ぶ」です。大学生にもなると周りには色々な誘惑があります。それに負けることなく、学校に来てきちんと授業を受ける。教員になるにはそれを4年続ける覚悟が必要です。中途半端な気持ちではなれない仕事だと思います。

それでも、子どもたちに自分の学んだことを伝えられることに代えられるものはありません。辛いことや苦労があっても諦めず、自分の夢に向かって頑張る心はやはり大切です。

受験生の皆さんへ

実は花園大学って、平安京の遺跡の上に立っている大学なんですよ。
つまり、「大学に通う」=「平安京に通う」とも言えるんじゃないかと。日本史が好きな人間としては、これはたまらない魅力のひとつではないでしょうか。
日本史が好きなら花園大学に来て損はありません。歴史を学ぶ上で絶好の環境が整っていますし、素晴らしい先生もたくさんいらっしゃいます。先生と学生の距離が近くて、先生方は研究室に行っても親身に話をしてくれますし、真剣に学生と向き合ってくれます。就職した今でも、自分で授業をする前に分からない事があれば花園大学の先生にお伺いすることもありますよ。また、教職の科目も大変力が入っています。教師を目指す人はぜひ花園大学に来て、頑張ってもらいたいですね。

インタビューVol.11井上さんプロフィール写真
井上圭伍(イノウエ ケイゴ)
文学部史学科 卒業(2007)
大阪府立松原高等学校勤務

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