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卒業生インタビュー

史学科卒業 江藤 弥生さん
インタビュー内容は、公開時(2012年12月)のものとなります。

現在はどのようなお仕事をされていらっしゃいますか。

野洲市歴史民俗博物館に勤めるようになって3年になります。
現在は野洲市の郷土史の研究が主体で、野洲市の旧家で発見された古文書資料などの委託管理、及び保全、調査を行っています。野洲では、蔵の中から古文書がまとまって発見されることが多いんですよ。


地域ならではの特徴なんですね。
仕事の上で特に興味深いところ、やりがいを感じるところはどこでしょうか。

民家に残っている文書には、生活に密着している様々な出来事や生活の様子が描かれていてとても面白いですし、文化財としても価値が高いものです。
私は滋賀県の守山市の生まれで、野洲は身近な場所でした。この仕事を始めてから、初めて自分の地元の歴史というものを掘り下げて研究するようになったのですが、今まで何気なく参加していた地元の行事等の由来などがわかるので、とても面白いと感じています。


資料の研究以外では、学芸員としてどのような仕事をされていらっしゃいますか。

インタビューVol.3イメージ1

博物館での仕事は、接客も大切です。
一般のお客さんに野洲の歴史を理解してもらうことも大切な仕事だと考えています。特に野洲市歴史民俗博物館では近隣の小学校や幼稚園・保育園の子どもたちを招いたイベントを多く開催しています。地域の将来を担っていく子どもたちに歴史に触れてもらう機会を作ることで、歴史を身近に感じ、学んでもらいたいと思っています。


花園大学、また博物館でのお仕事を選ばれたきっかけはなんですか。

元々は教員とか、教育関係の仕事につきたいと思っていました。その過程の中で、子供の頃から歴史が好きだったということに気づいたんです。
そこで花園大学では歴史研究に力を入れていることを知り、また、博物館の学芸員なら研究をしながら教育にも携わることができるので、その資格を取れる花園大学に入学しました。


京都の大学で歴史を学ぶ面白さはなんでしょうか。

やはり京都の歴史の厚みというものは、他の土地を圧倒するような規模、大きさがありますね。 日本全国、地方にもさまざまな祭礼はありますが、実は元をたどっていくと京都がオリジナルであることが多いんですよ。 例えば、京都では剣鉾(けんぼこ)の巡行を伴う祭礼が各地で行われています。剣先を天に向けてキラキラと輝かせながら町内を巡行するのですが、これは生活圏の疫病や邪気を集め、土地を清める意味があります。同様の祭礼を野洲にある生和神社の春の大祭で見たとき、京都の都市祭礼が近江に伝わったものだと強く感じました。
滋賀で学芸員として研究・調査をしていると、京都での体験や学んだことが次々と滋賀の歴史とつながっていくんです。逆に、京都という土地では見られない祭礼や民俗行事が滋賀にあったりして、研究のネタは尽きないですね。


江藤さんは一度就職をされた後にまた大学院で研究をされていますが、どのような経緯でその道を選ばれたのですか。

インタビューVol.3イメージ2

大学卒業後は、京都の企業博物館に就職しました。念願の博物館での仕事で、一般のお客さんとふれあいながら働き、とても充実していました。しかし、京都の奥深さを知るにつれて、自分の歴史に対する力不足も認識するようになって、もう一度大学院で勉強したいと考えたのです。 そこで、大学時代の恩師だった芳井敬郎先生に相談し、先生も勧めてくださったこともあり、大学院で民俗学を学ぶことになりました。


社会人から大学院生になられた経験はとても興味深いです。大学に戻られたときにどのような印象をお持ちになりましたか。

インタビューVol.3イメージ3

花園大学は色々な設備が充実していますし、そして博物館も改装されて大変きれいになっており、中身の濃い学生生活を送ることができました。
学芸員の養成課程では実物を触りながら勉強することができましたが、これは大変貴重な体験でしたね。私は院に入ってから民俗学を学び始めたのですが、実物を見て、触りながら学んだことほど勉強になったことはありません。

また、花園大学は先輩や先生との距離がとても近いのも特徴だと思います。些細なことでも相談に乗ってくださいますし、授業以外でも良くしていただけます。上下の結びつきがとても強い大学だと思いますね。


今まで学んだ先生の中で、特に印象深い方はいらっしゃいますか。

インタビューVol.3イメージ4

先生方にお教えいただいたことは本当にたくさんあって、数え切れませんね。
特に心に残っているのは、明珍健二先生の言葉です。

「人生は消去法で決まる。できることはどんどん限られてくる。だから学生時代になるべくできる範囲を広げてなんでもチャレンジしないといけない。」

この教えは今でも本当にその通りだな、と感じています。

専門職を目指して研究を進めることはとても大事なことです。でも、知識を「それだけ」に絞ってはその後自分ができることや、視野を狭めることにもなります。 私自身も、大学で最初に専門で学んだことと今やっていることはまったく同じではありません。ですが、大学で経験したことは確かに役立っていると感じています。

受験生の皆さんへ

花を咲かせるためにはまず種が必要です。種が芽吹き成長していく間に、どれだけ水や栄養を得ることが出来たかが、その後どのような花を咲かせるかに大きく影響します。
いわば学生時代は種の時代。
大学では必要なことだけを学べばいい、ということではなく、様々な方面にアンテナ・間口を広げて、興味を持ちチャレンジすることが大事だと思います。
学生時代にしっかり学び、さまざまな経験をしてください。そして、立派な花を咲かせましょう。

インタビューVol.3江藤さんプロフィール写真
江藤 弥生(エトウ ヤヨイ)
文学部史学科卒業(2001)
文学研究科日本史学専攻(修士課程)修了(2010)
野洲市歴史民俗博物館勤務
※史学科は学科改組前の名称。民俗学は文化遺産学科で、博物館学芸員資格は文化遺産学科・日本史学科で学ぶことができる。

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