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私は、地域包括支援センターで相談員として働いています。
地域包括支援センターでは、地域に住んでいる高齢者の様々な相談を受けています。
よせられる相談は、高齢者が生活するうえで困っている問題を始め、福祉サービスを受けたい、特別養護老人ホームに入所したいなど、多岐にわたっています。
受けた相談に対して、私たち相談員だけで解決するのではなく、本人とご家族と話し合い、どこをどうしたら生活が改善するのかを見つけていきます。そこから、必要な機関やサービスへの連絡や調整を行なっていき、相談に対してどのように改善していくかの計画を考え、サポートをします。
相談者の方から、「元気になったよ!」と言ってもらえるのは嬉しいですね。地域の方との繋がりや信頼関係が大事な仕事ですので、たくさんの地域の方と出会い、お話することもできます。道で出会った時に挨拶をしあったり、「こんなんあるし来て!」とお祭りに誘ってくれたり、そうやって地域の方と触れ合えることが魅力で、この仕事の宝物だと思います。
選択肢が多い分、大学にいるときに将来どの分野にすすむのか?悩むと思います。
私は、3回生の時に特別養護老人ホームでアルバイトをしたことがきっかけで、高齢者福祉の分野に行こうと決めました。元々人と喋ったりするのが苦手でしたが、お年寄りの方とは不思議と話しやすくて、コミュニケーションがとても面白かったんです。
最初は特別養護老人ホームに就職して介護職員として勤務をしていました。その後転職をして、2006年の地域包括支援センター開設に伴う異動で、現在の相談員の仕事に就いています。
介護の現場は高齢者の方の入浴や食事の補助のように介護をする仕事が中心で、一人ひとりに身近な仕事です。相談員は、介護職員よりは少し離れた位置から高齢者を支える仕事です。
もちろん一人ひとりと向き合っていきますが、1から10までひとりでやるのではなくて、介護職員・看護師・医師といった多くの専門職と協力をしあって、その人の抱える問題を解決し整えていきます。介護職員のような介護の仕事は少なく、相談者の方の相談に乗って調整役として支えていきます。
福祉の現場や相談員の仕事は、社会福祉士の資格がなくても働ける所はあります。ただ、私の職場である地域包括支援センターは、社会福祉士を必ず配置するように法律で決まっているので、資格が必要になります。資格が必要な求人も増えているようなので、社会福祉の専門家である社会福祉士は社会に求められているのだと思います。
資格の取得は、大学の社会福祉学科にいって、受験資格を得るための指定科目を修了して、国家資格を受けるのが一番スタンダードな流れです。
病院の先生に働きかけて調整を行う病院のソーシャルワーカー(MSW:Medical Social Worker)、特別養護老人ホームの相談員や高齢者のデイサービスの相談員兼介護職員、生活保護の相談等を受ける福祉事務所のケースワーカーがあります。
また、福祉と聞くと高齢者のイメージが強いと思いますが、児童養護施設といった児童福祉施設の職員や児童虐待に関する役所の相談窓口等のように、子どもと関わる職場もあります。活躍の場が広くあり、選択できる分野が広いのは社会福祉士の特徴です。
4回生のゼミが特に印象的でした。ゼミの先生の専門が認知症・在宅の研究で、認知症や介護の必要な方が家庭で生活することの難しさを学びました。
先生が思い描く理想は今でも理解できて、その理想に向かって仕事をしている自分がいます。今、職場で実践していることも、先生がおっしゃっていたことに近いので、ゼミで先生から学んだことはとても役に立っています。
花園大学のいいところは現場経験を積んだ先生が多いことです。
いろんな事例を聞かせてもらえて、将来自分がどのような所で働くかをイメージしやすいです。
花園大学の福富昌城先生や吉永純先生と仕事でご一緒して研修の企画をしたりすることがあるのですが、そこで、先生の現場経験の話をきくと、現場で働く専門職の私でも初心に帰れて、ためになることばかりです。
福祉の現場で働きたい思いがあるのなら、そういった先生の経験談はとても勉強になります。
福祉の仕事には、きついイメージを抱いている人も多いと思いますが、高齢者の方の声や地域の方の笑顔など、励みになることの多くて、自分の人生の糧になる仕事です。
興味のある方はぜひ社会福祉学部の門を叩いてください。