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お知らせ

2017.04.14

入学式~学長式辞・総長祝辞~

学長式辞

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新入生のみなさん、本日は入学、おめでとうございます。今、みなさんは、新しく始まる大学生活にさぞ胸を躍らせていることと思います。中には勉学や友達関係などにいくばくかの不安を持っている人もいるかもしれませんが、花園大学はそうしたみなさんの不安を払拭するために万全の体制を整えていますので、どうか安心してください。そして、もしも困ったことがあれば遠慮なく教職員に相談して下さい。

さて、全ての私立大学には建学の精神があり、本学の建学の精神は「禅的仏教精神による人格の陶冶」です。そのことをあまり意識せずに入学された方は、さきほどステージの緞帳が上がり、正面に立派な仏像が現われたとき、若干驚かれたかもしれません。京都には30以上の大学がありますが、その約半分が宗教系の大学で、多かれ少なかれ建学の精神の背景に宗教の教えをもっています。

ここで一つ誤解しないでいただきたいのは、これらの大学は決して布教を目的に設立されたわけではありませんし、みなさんに信仰を求めているわけでもないということです。本学の場合は、禅仏教の精神に基づき、人間を育てることを目的にしています。

では、禅とは何でしょうか。禅の教えは難解で、奥が深く、何年も修行しないと理解できないというイメージがあるかもしれませんが、禅は「己事究明」とも言われているように、それは自分探求への道であり、物事の考え方や生き方を示す哲学のようなものでもあります。このように禅の教えは、自己発見を通して自己を完成させることにつながり、それはアイデンティティの確立と言い換えることもできます。青年期の発達課題はアイデンティティの確立ですから、本学の建学の精神は、まさに皆さんが今なすべきこと、考えるべきこと、そのものなのです。

また、禅には禅語といって、その考え方を短い言葉で表現したものが数多くあります。その一つに、私の好きな「前後際断」という言葉があります。これは「過去にとらわれることなく、未来を憂うことなく、今この瞬間を生き抜け」という意味です。

2、3か月前、とあるラジオ番組で土田晃之というタレントさんが、受験に失敗した自分の娘さんのエピソードを語られていました。土田さんは、落ち込んでいた娘さんに「いいんだよ落ちたって、受験はお前が塾に行って一生懸命努力した成果だから。チャレンジしたこと、頑張ったことが大事なんだ」と声をかけられたそうです。きっと娘さんは「また頑張ろう」と思われたに違いありません。

みなさんも、一瞬一瞬を大事にして、今日から始まる花園大学での新しい生活を思う存分謳歌していただきたいと思います。

最期に、みなさんに一つだけお願いがあります。それは挨拶です。実は挨拶も元は禅の言葉なのですが、たとえば、朝会ったらお互いに「おはよう」という一言をかけてほしいのです。挨拶は人と人をつなぐ基本です。「外相整いて内相自ずから熟す」という言葉があるように、最初は単なる形式でも挨拶を交わすことでやがて気持ちが近づくようになり、それがみなさんの大学生活の支えになるに違いありません。

花園大学での生活が皆さんにとってかけがえのない日々になることを願っています。本日は、誠におめでとうございました。

平成二十九年四月三日 花園大学学長 丹治光浩

 

総長祝辞

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本日、当花園大学に入学された皆さん、入学誠におめでとうございます。併せて、列席の理事、学長、学部長、事務局長および教職員と共に皆さんの入学をお祝い申し上げます。同時に、入学の皆さんを支えてこられました、ご家族や関係する皆さんにお祝い申し上げます。

当花園大学は仏教、なかんずく臨済禅を建学の理念として開学された世界で唯一の大学で、その淵源は145年前、明治5年、花園妙心寺に創設された般若林という学寮に始まります。日本の私立大学では古い伝統を持つ大学であります。その般若林とは、私たち人間に生来具わっている仏の智慧を般若と申し、この智慧によって問題を解決していこうと学ぶ者を樹木に見立てて、この一本一本の集まりを般若林と名付けたのであります。かかる伝統の花園大学に入学した皆さん一人一人は、般若の樹木一本一本で、般若の花を咲かせる花園の一本一本であります。入学の皆さん、各自が専攻する講義・ゼミを学修し、般若の智慧の発現を深める学びをしてほしいと存じます。

眼を国内外に転じますと、難問が山積しています。先日卒業の諸君にも申した事でありますが、国内では少子高齢化が進む社会に在って、ものの考え方を変えざるを得ない状況があり、東日本の大震災による津波の被害、東電の原発事故後の問題は尽きることのない様相を呈しています。また家庭や教育、介護の現場では、育児の放棄や虐待、いじめ、体罰、暴行、殺傷事件が頻発しています。国外では、韓国、北朝鮮、中国、ロシアなど諸国との外交問題やISなどの過激派組織が世界中に拡散させようとするテロリズムが、終わりなき報復戦争を繰り返そうとしています。そしてまた、地球温暖化による生態系の異変で、地球規模で環境破壊が進行しています。人類はこの地球に生存できるのか、今こそ人間の叡智を必要としている時はありません。

宗祖、臨済禅師は、或る時、弟子たちに向かって、「赤肉団上に一無位の真人あり。汝等諸人の面門より出入す。未だ証拠せざる者は、看よ看よ」と。我々のこの肉体に、それぞれ一人の位の付けようのない、真の人がいて、いつも君たちの顔から出入りしている。それにまだ気づいていない者は、見よ見よと、顔を突き出し、眼をむき出して、各人の真人の自覚を迫りました。そして、「随処に主となれば立処皆な真なり」どこに居ても生来具えられている霊性的自己、即ち真の人、真人に目覚めていれば、今、置かれているその場が、かけがえのない、まことの場所になるのだと説きました。

本学には建学の精神を象徴する教堂があり、教堂の祈りがあります。この祈りは、臨済禅師が申す「無位の真人」に目覚め、随処に主となる者の日常的心得で、花園大学の祈りでもあります。皆さんが、これから教堂で行われる各行事で唱和することになります。花園大学に入学された皆さんは、各自が志望する学科の修得の根底に、この祈りを置いて勉学に励んで頂くことを望みます。

終わりに、この教堂の祈りを唱えます。

 

花園大学教堂の祈り

 

願わくばわれらは常に

万人平等に具えられし仏心を見失わず

世界の平和を願求し 暴力に訴えず

自らを内省して我欲を制し

個人の幸福が人類の福祉と調和する道を歩まんことを

これに反する邪悪な心に動かされ

尊厳なる人格を侵す者には

それを諫め拒む勇気を持ちつづけんことを

この尽きざる願心と限りなき信根と

深き慈愛をもって国土と人類社会を荘厳し

生かされていることへの感謝と共に

仏祖広大の慈蔭に酬いんことを

謹んで祈る

 

皆さん、入学おめでとう。

平成二十九年四月三日 花園大学総長 河野太通