日本史学科

学生に向けてのメッセージ

竹貫 元勝教授
竹貫 元勝 客員教授

〈中世史、禅文化史担当〉

〈私の研究紹介〉
中世史・禅文化史を文献史学の方法論で研究しています。中世史の研究は鎌倉期における日宋交流と中世文化の展開に興味をもったことにはじまります。その後、南北朝・室町期、さらに戦国期についての政治・経済・禅にかかわる史的諸問題に関心を高くし、ものによっては近世史におよぶ研究課題も手がけています。出版した本は、北山文化・東山文化に加えて、紫野文化を提言しようとする『紫野大徳寺の歴史と文化』(淡交社)など、これまでに拙いものばかり19冊あります。担当科目が大学院のみですから、皆さんの在学四年の間にはお会いする機会がないかと思いますが、『国史大辞典』・『日本荘園史大辞典』(吉川弘文館)、『角川日本地名大辞典』(角川書店)、『日本歴史大事典』(小学館)、『日本美術史事典』(平凡社)、『茶席の禅語大辞典』(淡交社)などの中世史・禅文化史に関する項目についての執筆もしていますので、その項目で更に詳しく知りたいことなどが有りましたら、研究室にでもお越し下さい。面謁の機会が持てますことを楽しみに待っています。

〈学生諸君へのメッセージ〉
文献史学は、綿密な史料講読と分析力が基本になり、さらに問題意識を如何にもつか、どのような史観がどのように自分のなかに育てられるのか、そうしたことが歴史学を学ぼうとする者の一つの課題になります。先ずは先学の論著をしっかりと読むことから始められてはいかがでしょうか。中世史は面白いですよ。このことを一日も早く感じて下さい。

鈴木 康子教授


鈴木 康子教授

〈近世史担当〉

鈴木ゼミブログ

〈私の研究紹介〉

私の専門は近世対外交渉史です。特に長崎における日本とオランダとの貿易状況や、その推移、そして日本から輸出された商品の販売先・販売価格・販売量・利益率の変化とその背景について、アジア・ヨーロッパ市場の状況を考察しつつ明らかにしました(『近世日蘭貿易史の研究』2004年、思文閣出版)。その後、近世中期までの長崎奉行について研究を続け、17世紀末から18世紀中期に勘定所と長崎奉行の繋がりが強かったことを明らかにしました(『長崎奉行の研究』2007年、思文閣出版)。そして上記の『近世日蘭貿易史の研究』の英語版であるJapan-Netherlands Trade 1600-1800:The Dutch East India Company and beyond(2012、京都大学学術出版会、Trans Pacific Press社との共同出版)や選りすぐりの長崎奉行をわかりやすく描き出した『長崎奉行-等身大の官僚群像-』(2012、筑摩書房)といった著書もあります。一昨年年度から、日本学術振興会から研究助成金を頂き、18世紀末から幕末に至るまでの長崎奉行の特質と、幕府の対外政策の変化について研究を進めています。

 

〈学生諸君へのメッセージ〉

私は、山に登ることが趣味で、『ヤマネコ 山にのぼる』(文芸社)というエッセイを出版したこともあるくらいです。とにかく、山ではひたすら一歩一歩、自分の足で歩くことになります。日頃都会で暮らしていると歩くことを意識することはあまりないかもしれません。でも、山では、本当に自分の足だけが頼りであることを実感するのです。自分の体重とリュックの重みをすべて、この二本の足が支えてくれて、一歩一歩と自分を高みへと運んでくれる。それがわかると、何だか自分の一部ではあるものの、一番下で、窮屈な靴に圧迫されながらも、ただひたすら黙って動いてくれる自分の足の存在が有難く、いとおしくさえ思えてくるのです。だからお風呂に入ると、足を洗いながら、「今日もご苦労様、有り難うございます」と、足に向かって言ったりもします。
人はいつも、頭やスタイルのよさ、そして顔の美しさばかりを、人と比較して一喜一憂しているようにみえます。でも、自分の容姿や頭脳がどんなものであろうとも、それをうまく駆使していくと、いろいろなことがなし遂げられます。でもまあ、そんな元気なことを言ってる私も、実は、もう中学生の頃から、この人生でいったい何をしたらいいのか全くわからなくて、ずっと空虚な気持ちを抱いていました。だからこそ、山に登るという、山頂に立つという明確な目的がある登山は、私の心をすっきりさせてくれたのかもしれません。
でも山に登る時、登山口のところから頂上を眺めると、あんな高いところまで登れるだろうかといつも不安に思いますが、一歩一歩、歩き続ければ、いずれは頂上まで登りつめることができます。頂上で、汗をふきつつ、まわりの風景を見渡して、自分の力もまんざらでもないと思ったりします。そして、まだ、こんな自分にも何かできるような気がして、俄然、元気が湧いてくるのです。まるで、山のエネルギーが体の中に入ってきたようです。
そして、山では自分で歩かない限り、どこにも行けないわけで、基本的にすべて自分で歩くことが求められるのです。自分の足で歩いていくということは、昔の人には当然のことなのでしょうが、現在の私たちは車や自転車、バス、電車などに慣れきってしまっていて、歩き通すことには、それなりの覚悟がいるのです。人間の住みやすい快適な住空間から離れて、山の中の他の動物と同等の条件で、身一つで歩くということは勇気のいることかもしれません。私達は、すっかり機械に依存して便利な生活をしています。こうした便利なものに取り囲まれていると、不思議なことに、体が健全な人ほど心が不安定になってくるようです。そして、いつの間にか自分に自信が持てなくなって、うつ病の闇に落ち込みそうになってしまうのです。
時々、体を動かして何かを達成していくことは、これからの私たちにとってますます必要なことなのかもしれません。何でも便利になると、自分の力でやり遂げたという実感がなくなり、人は感動しなくなります。感動するということは、心を揺さられることで、心も体も動かさないと、揺さぶられないと凍り付いてしまいます。人間は動物でもあるわけで、「動物」は「動くもの」でもあるわけです。ですから、生きているうちは、心身もとに動きまわることが幸せの根源となるのかなとも思っています。たまにはスマホを置いて、散歩をしたり、空を見上げて深呼吸をしたり、人と話したり、まわりの風景を楽しんでほしいと思います。そして、自分の人生の風景をも楽しんでいって頂きたいと思っています。
とりあえず、このオリエンテーションでは、友達をたくさん作って下さい。いろいろな人と話し、影響されて、人は初めて自分というものがわかっていくようです。   


松田 隆行 教授

〈近現代史担当〉

〈私の研究紹介〉
1.明治維新史(主として幕末期の政治史・社会史)
2.近代日本社会史(明治初期~戦時期の地域社会史・地方行財政史)
3.戦時体制(日中戦争~アジア・太平洋戦争期における国家総動員体制)

〈学生諸君へのメッセージ〉
大学で学ぶ歴史学のおもしろさとは、史料を集めて分析して、自分自身の目で歴史を検証していくところにあると思います。そうした楽しみを味わえるようにしっかりと勉強して下さい。また、勉学でもそれ以外でも興味の持てることや打ち込めることを見つけて、卒業する時に「自分はこれをやった」と自分で納得できるような学生生活をおくって下さい。

 
中野渡 俊治 准教授

〈古代史担当〉

〈私の研究紹介〉
古代の天皇制について、太上天皇(譲位した天皇)の位置づけや、上表という、臣下が天皇に差し出す文書(意見書)の分析を中心として研究を進めています。
元天皇である太上天皇と天皇との関係、また天皇を支える貴族たちとの関係から、奈良時代から平安時代にかけての、天皇という地位の正当性と、貴族たちとの関係を解明したいと考えています。現在は、平安初期の薬子の変(平城太上天皇の変)や、平安中期以降の、太上天皇と摂政・関白との関係に関心があります。
また平安時代、藤原道長と同時代の貴族である、藤原実資の日記『小右記』の講読会に参加しており、共同作業で注釈書を作ることもしています。『小右記』などの古記録を読むことで、平安京に暮らした人々の姿についても考えていきます。

〈学生諸君へのメッセージ〉
本学に赴任するまで、東北地方の仙台市で暮らしていました。京都で暮らし、研究をする機会に恵まれ、私自身、胸を躍らせています。京都の街は、歴史を学ぶ環境としてこの上ない所です。街のあちこちに高校などで習った歴史の舞台があります。みなさんも、京都で学ぶ機会を充分に生かして、自分の足で訪ね歩いてみてください。
その上で、たくさんの本を読み、史料と向き合ってみましょう。漢字がならんでいるだけに見える史料も、じっくり向き合ってみると、様々なことを語りかけてきてくれます。自分でテーマを選び、史料をもとに考えることで、新しい歴史の魅力に出会えますし、今の社会を見る眼も広がります。


菅 修一 准教授

〈図書館司書課程担当〉

〈私の研究紹介〉
私はこれまで医学・薬学系図書館、経済学部図書館、工学系図書館、教育大学の図書館、文学部図書館といろんな専門分野の大学図書館に勤務し、各勤務先図書館で特徴ある貴重な資料との出会いがありました。

・小学校教科書の歴史
小学校教科書には教育大学の図書館に勤務したときに出会いました。明治維新のあと学制が公布された当時の小学校教科書は木版刷りです。挿し絵は稚拙なものもありましたが美しい芸術作品のようなものもありました。明治20-30年代は洋製本ですが和紙に刷られ細密な版画が刷られているものもありました。そのあと、国定教科書の時代、終戦後の墨塗り教科書、物資不足により新聞紙に刷られ各家庭で製本した暫定教科書の時代があり、そのあとになって今の検定教科書の時代になります。自分の思っていた教科書のイメージとは全く異なった昔の教科書の山をはじめて見た時から教科書の歴史について学ぶようになりました。そして、いろんな切り口から小学校教科書を見ております。

・文献検索
1986年、薬学系図書室に勤務した私はオンライン・データベースによる文献検索に出会いました。当時は音響カプラーに電話の受話器をかませ、300bpsという今となっては超鈍足のスピードで検索用端末をホストコンピュータに接続し、データベースを図書館員が利用者の依頼に応じて代行検索していました。当時は1分間いくらと時間従量制で長い時間使うほどデータベースの使用料は高額になりました。それで手短にしかも有用な検索をするためにどうすればいいか、文献を読みました。索引ファイルと書誌ファイルの仕組み、統制語彙集(シソーラス)についてなどでした。その後、電子メディアの発展の中、データベースはCD-ROM化され、今ではデータベースをWeb上で行うなど、文献検索のスタイルが変わり、時間を気にしないで文献検索するようになりました。文献検索は図書館員による代行検索から利用者自身による検索に変わっていきました。それでもデータベースごとに特徴があり、利用者に各データベースの特徴、有用な利用法を伝える必要があります。図書館員は利用者指導・支援という形で文献検索を支えています。図書館員として、どのようにすれば便利な文献検索を普及させることが出来るか考えてきました。
 

〈学生諸君へのメッセージ〉
皆さんは図書館にどのようなイメージを持っていますか?本を貸してくれるところでしょうか?自宅以外の勉強スペースでしょうか?図書館司書課程の各講義ではいろいろな側面から図書館を見ていきます。図書館について学ぶことにより、図書館はきっと今まで思っていたイメージを越えて、より身近な存在になると思います。講義が図書館を見つめ直す契機になれば幸いです。インターネットの時代、電子書籍の登場と、本や雑誌を巡る状況も急激に変化しています。図書館や資料を巡るいろんな出来事を知り見つめ一緒に考えていきたいと思います。
京都には沢山の図書館や書店があります。古本屋さんも沢山あります。足で稼いでいろんな資料に出会ってください。そして、本物の資料を数多く見てください。コピーではない本物の資料を見ることは大事なことだと思います。

 
松田 敬之 准教授

〈近現代史担当〉

〈私の研究紹介〉
〈前近代身分の解体と近代身分への再編〉という研究テーマで、特に華族制度を専門分野としています。士族から華族へと身分昇格運動など、個人や家が持っている上昇志向による請願といったものを中心に、近現代社会において、〈家の由緒〉というものがどのような位置づけであったのかを詳しく考察していきたいと考えています。
その身分の研究から派生したものですが、江戸時代の公家や、明治以降の華族の家庭で、厄介(やっかい)や部屋住(へやずみ)と呼ばれる次男以下の動向について、昨年末に『次男坊たちの江戸時代 -公家社会の〈厄介者〉-』(吉川弘文館)を執筆しました。今後は本来の研究を一書にまとめるべく頑張っていきたいと思います。

〈学生諸君へのメッセージ〉
大学の4年間は長いようで短いと思います。この間、自分が学びたい分野だけではなく、様々な分野の本を読んで欲しいと思います。この京都には国立国会図書館関西館をはじめ、多くの図書館があります。大学の図書館だけでなく、そうした所へもどんどん出かけて、本に触れて知識を深めて下さい。
また、京都は歴史都市でもあります。色々な史跡を巡って是非見聞を広めて下さい。

 
平井 上総 准教授

〈中世史担当〉

〈私の研究紹介〉

日本の戦国時代から織田・豊臣政権期にかけて、四国の大名長宗我部氏や、豊臣政権の検地政策、それに「兵農分離」についても関心を持って研究をしております。この時代は中近世移行期と呼ばれる変動の時代であり、数々の史料の中から変化の意味を掘り出していくことにやりがいを感じています。

〈学生諸君へのメッセージ〉

歴史学は、今の我々の生活がどのように形成されてきたかを、色々な角度から検討する学問と言えます。たとえば現代でもゲームやドラマなどで人気のある「戦 国武将」については、彼らが戦場でいかに華々しく活躍したかを追うことよりも、領主・支配者階級の一員としてどのように支配を行なっていたか、それが日本 の歴史上どのような意味を持っていたのかを検討することのほうが重視されています。それは、戦国時代を過去の時代としてのみ見るのではなく、今の日本につ ながっていく時代と見ているからです。
やや堅苦しいことを書きましたが、古文書や日記などのたくさんの史料を眺め、自分なりの視角から物事を考えることは、実は楽しい作業でもあります。皆さんには大学の講義・ゼミや本などから積極的に色々な知識を吸収し、日本史の世界を楽しんでもらいたいと思います。

  中尾 光一 事務助手・非常勤講師

〈学生諸君へのメッセージ〉
共同研究室は「研究室」と名が付いていますがそんなに堅苦しい場所ではありませんので、研究に自習にと、積極的にご活用ください。私自身も花園大学史学科 (近現代史専攻)の卒業生で、2013年は日本海軍が大砲の弾道計算に使用した「射撃盤」という計算機に関する論文を執筆しました。 共同研究室は月・火・木・ 金曜日に開室しています、大学での生活で何かわからない事・困ったことがあった場合は、お気軽にお訪ねください。