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花園大学人権週間「知ることから」

第29回花園大学人権週間 講演1


鬼丸昌也さん(NPO法人テラ・ルネッサンス創設者・理事)

鬼丸昌也さんプロフィール写真

◆プロフィール◆
おにまる・まさや
1979年、福岡県生まれ。立命館大学法学部卒。高校在学中にアリヤラトネ博士(サルボダヤ運動創始者/スリランカ)と出逢い、『すべての人に未来をつくりだす能力がある』と教えられる。2001年、初めてカンボジアを訪れ、地雷被害の現状を知り、「すべての活動はまず『伝える』ことから」と講演活動を始める。同年10月、大学在学中に「全ての生命が安心して生活できる社会の実現」をめざす「テラ・ルネッサンス」設立。2002年、(社)日本青年会議所人間力大賞受賞。地雷、子ども兵や平和問題を伝える講演活動は、学校、企業、行政などで年100回以上。遠い国の話を身近に感じさせ、一人ひとりに未来をつくる能力があると訴えかける講演に共感が広がっている。
(テラ・ルネッサンスホームページより)

※※※※※

「こうして僕は世界を変えるために一歩を踏み出した」

吉田有希
渡辺恵司

 今、日本の平和に対する認識について問われている。いつどこで天災が起きるかわからなくもなっている昨今、人権週間でお呼びする鬼丸昌也さんは、大学在学中に「テラ・ルネッサンス」を立ち上げ、すべての生命が安心して生活できる社会の実現をめざし活動をされてきた。今回、人権週間でお招きできることを嬉しく思っている。当日までの準備として、何度かの話し合いを重ね、鬼丸さんへの取材も行った。その取材で得られたことを紹介したい。
 テラ・ルネッサンス創設者である鬼丸さんは、大学4年生の時に関わっていたNGOのカンボジアでの地雷の除去支援で、地雷の悲惨さや、寄り添う大切さ、地雷の被害の状況を目の当たりにした。そこで鬼丸さんは、自分になにが出来るかを考えた時に、自分の体験や経験を話すことだと思い、以後、講演などを通しての「伝えること」を大切に、活動をされている。今では、インターネットの普及に伴う、ソーシャル・ネットワーキング・サービスなども活用し、成果や課題などを発信している。鬼丸さんはまず、『伝えること』から始めていったのであった。
 テラ・ルネッサンスでは、支援をしているウガンダやカンボジアにおける課題の調査を、現地に足を運び行っている。現場の必要とするものとこちらが必要だと思うものの意見を擦り合わせた上で事業を行っている。その国の状況などで変わってくることがあると鬼丸さんは言う。現地の課題調査にて、調べる理想図をはっきりさせることも重要とのことだ。気をつけないといけないことは、現地の人のニーズに耳を傾け、ただお金を与えるだけでなく、元子ども兵のお金がない背景までしっかり探ることだという。また、「常にニーズの先取りをし、現地の人の『自立』を促すことこそが、テラ・ルネッサンスの活動のねらいであるという。
 日本ではない海外への支援となると、言葉も違えば価値観も違う。そのような状況で現地の人との意見の食い違いを上手くすり合わせて活動しているが、NGOを登録しないといけない行政の人と、適度にコミュニケーションをとることが大切だと言う。カンボジアの地雷埋設地域の村落開発に取り組む時は、村人との対話することが大事で、こちら側の意見を押し付けるのではなく、時間と回数をかけて話し合いをし、一緒に案を出していくことで事業を進めているのである。
 現場に足を運んで、元子ども兵の子どもにかかわった時、2つの感じたイメージを鬼丸さんは語ってくれた。1つは、元子ども兵は、深い問題を抱え、心に傷を負い、実際に自分の村などで残虐なことをすることもあったことからも、始めはかかわることが大変なイメージを持っていたようだ。子ども兵たちは、大人から銃の扱い方を教えられ、日常生活は軍隊のような生活を送っているのだが、そのようなこども兵の話を聴くと感情と合わさり、深く大きな課題が伝わってきたことを今でも覚えているとのこと。実際の現場は、自分の考えていた想像をはるかに超え、大変なことだったと感じられている。
 2つ目は、元子ども兵は、友達と一緒にいると笑い、人間の温かさを持っていることを感じられている。そんな子ども兵の、どの面に着目するかを大事にし、そして、元子ども兵は「かわいそうな存在ではない」と認識することで、あるものを見出し、元子ども兵の持っている長所を伸ばしていくことが大切であると考えられている。現地のこども兵は過酷で悲惨な状況であるが、その元子ども兵も少しずつ、確実に変化をすることから、人は必ず変化ができると確信し、自分の役割と出番があれば変われ、自分を認めることが出来れば、自分の傷を慰めることができることも感じている。自尊心を得られるようにテラ・ルネッサンスは活動しているのである。
 取材の最後に、「人権とは何か」と鬼丸さんに伺ってみた。鬼丸さんは、以下のように答えてくれた。
 "人が人に与えられた能力をあますことなく発揮出来る権利"であると。
 鬼丸さんが「すべての生命が安心して生活できる社会の実現に向けて」の一歩を、どのように踏み出したか、これまでの活動を振り返り、私たちにどんなメッセージを語りかけてくれるか。今から当日が楽しみになる取材であった。

(よしだ・ゆうき=社会福祉学科二回生)
(わたなべ・けいじ=社会福祉実習指導室専任講師)

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【取材風景】
小田笑(おだ・えみ=臨床心理学科3回生)
吉田有希(よしだ・ゆうき=社会福祉学科2回生)

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